言 葉 遊 び
<其の一>
支えあう朋ある幸をいつまでも 心に一期一会刻みて
島唄に込めたる想いそれぞれの 民の涙を忘れてならじ
帰りたる縁の子等が今集う 響け鐘の音大地の上に
窓開けて空に元気と挨拶も 首をすくめし立冬の朝
晩秋の余暇楽しまん日向ぼこ 陽光穏やか薄の野原
縁側で君と語らう束の間の 時を持ちたし小春日のなか
懐かしく語る言葉の温かさ 遠い故郷直ぐ傍にあり
仰ぎ見る空に隠れし満ちたりの 無月に重なる想いの深き
一葉に込めし思いは遥かなり 朋に届けと筆に念じて
参道の塀飛び越して仰ぎ見る 行く人送りて色付きし実は
トンボとび秋色のそら駆け巡る 木々から覗く古都の夕景
秋見ての通りすがりし道すがら 頭垂れたる稲穂まばゆく
昔日の夢が叶いて今あるを 忘れじ歩む想い新たに
遠くより波間漂う足音の ひたひた歩み我に近づき
さいはての北の大地に独り立つ 己と語る心の旅路
沈む日に今日一日の感謝こめ 日の出づるまで儚き中に
時折の真心届けしふみのある 沈む思いに励み頂く
放任の親の資格もあやふやな 我が子の優しさ心にしみて
差し入れのアイスクリームの冷たさに 熱き身体がしばし涼しみ
横たわるわが身の思い定まらず 軽ろき命のあるはずも無し
楽しみの山行きできぬこの時も われの歩みの道教えたり
若き獅子吠えて駈けたり列島を 一点死守して歓声上がる
卓囲む一億の民束の間に 今宵一夜の家族となりて
プラチナのチケット握り貴賓席 轟く歓喜空にむかいて
天からの光射し込む蒼き海 照らす心に何を想わん
駒ヶ根の清き水にて醸し出す 心酔いしか陽光のなか
天よりの恵みに感謝し今朝もまた 朝日待ちつつ一人散歩す
殻脱ぎ空蝉の世渡らんや 諸人挙りて明日に橋かけ
新たなる出発(たびだち)の日をいつか見ん 今宵はネットで想い届けつ
悠久の時を過ごせしともがらに 語る言葉の重みを覚ゆ
大地より恵まれし物数多し 人の心も天の恵みか
風吹けば波立つ想い沸々と 地平の彼方残像を見ゆ
漣に惹かれて海辺彷徨えば 誰か呼ぶ声深淵のなか
曙光をこの地で眺むることあらば 悠久の瞬間永久に続けと
大人への轍ふみしか一人旅 人の世の常教えを乞いて
束の間の時を過ごして今日もまた 何処の地へと時を移さん
木々の中古株に腰を落ち着けり 公園の途に過去を重ねし
住みし地を奪われし徒も今何処 アイヌの人に面影重ねつ
青空を二つに分ける地平線 遥かの海に何を想うや
天高く雲緩やかに風に乗る 馴染みの山みつ心癒さん
渡り鳥旅だつ朝の声聞かせ 故郷尋ね行く先何処
竜頭まき時刻あらため赴けば 体内時計は鐘を撞きたり
粛として墨香りたつ時過ごす 古よりの習わし継いで
爆音を轟かせたる走り屋の 夜の静寂快き哉
雲かかり月の姿はあらねども いつかまた見る満月のとき
時刻む日々の営み織りこみて 最期の瞬間(とき)を迎える日まで
朝靄の尾瀬を歩きて対峙する 臨む燧に悠久想う
故郷の原風景に想い馳せ 延々続く道遥かなり
北の果て久遠の時を緩やかに 小樽運河の流れ楽しむ
北国の青空の下原野有る 朝霧の中駿馬翔けたり
遥かなる地平の彼方一人旅 行雲流水心穏やか
彼方より山の呼び声聞こえたる 深山の里に秋の便りを
オフカイに集いて楽しきとき過ごす 巧みの話し我も聴きたし
どのくらい飲んだか解からぬ今日の酒 心地よき夜朋と過ごせリ
穏やかに時を過ごしてその日待つ 心の奥に描きし想い
人知れず我居る所と決めおきて 遠くを臨み故郷重ね